齊藤 想の【サイトーマガジン】2025.03
【第209回のメュー】
◆こんな公募に挑戦しました・第4回水の都おおがき短編小説コンクール
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第40回)
◆プラスのショートショート1~3
◆公募情報数点
【◆こんな公募に挑戦しました・第4回水の都おおがき短編小説コンクール】
水の都おおがき短編小説コンクールは、まだ4回と若い短編賞です。
なぜこの賞に応募しようと考えたのかというと、原稿用紙10枚以内と手頃であること。それと過去応募数が第1回29点、第2回37点、第3回52点と徐々に増えているもののまだまだライバルが少ないから狙い目、という理由です。
入賞3点なので、もし30点なら1/10、60点でも1/20です。
これは文学賞として考えると、かなりの高確率です。
過去受賞作を見ると、名物の「水まんじゅう」を出している作品が多いです。舞台が大垣だと分かればいいのかな、という印象はあります。どちらかというと、純文学的な作品が選ばれているように見えますが、コテコテという感じではありません。
このあたりは地方文学賞らしいかなとも思います。
制限枚数(文字数)とジャンルで狙う公募を決めるのが基本ですが、地方文学賞には意外と穴場の公募が転がっています。
水の都おおがき短編小説コンコールは今回でひと区切りとなるそうですが、また穴場の地方文学賞を探そうと思います。
最終回の最優秀作品、米澤敦子『ハヨリも喜ぶ』は地方文学賞のお手本のような作品です。気になるかたは、ぜひとも、目を通してください。
【◆リアルタイム企画 小説でもどうぞ!に挑戦中(40回)】
今月のテーマは「演技」でした。
『仮面夫婦』(ChatGPTによる採点90点)
「仲の良い夫婦」を演じなければならない夫婦の話です。
この系統としては、夫婦とも殺し屋だったという映画『Mr.&Mrs. スミス』があります。このパターンは二人が最後まで殺し合うと物語にならないので、基本的には和解で終わります。
本作も和解で終わりますが、実は「仲良い夫婦を演じなければならない」という「演技をしていた」という二重の演技というトリックをしかけています。
夢オチ系で「夢の中の夢」という話がよくあります。それの演技バージョンです。
使い古された手法でも、少し設定を変えればまだまだ使えるというひとつの例ということで。
【◆プラスのショートショートその1】
第40回小説でもどうぞ!に応募した作品その2です。
『人材斡旋』(ChatGPTによる採点75点)
特殊詐欺、いわゆる「オレオレ詐欺」をテーマにしています。
演技というと映画やドラマが連想されますが、少しひねって犯罪における演技を選びました。前半はオレオレ詐欺の手法が描かれていますが、このあたりは実際の特殊詐欺グループの手法を調べています。犯罪部ループが会社組織になっていることも、実際の事件を参考にしました。もちろん、かなり盛っていますが。
何はともあれ、調べるのが大事だと思います。
さて、オチをどうするかです。
まず考えるのは、設定そのものをひっくりかえすパターンです。本作では「オレオレ詐欺で必要となる能力が活用できる仕事はないだろうか」と考えて、政治家に抜擢されるオチとしました。最初は俳優や声優を考えたのですが、オチとして弱いと判断して、ボツにしています。
オチを何個か考えて、その中から選べるようになると、作品の質は良くなるのかなと思っています。
【プラスのショートショートその2】
第40回小説でもどうぞ!に応募した作品その3です。
『スタントマン』(ChatGPTによる採点92点)
ネタの考えかたは『人材斡旋』と同じです。いくら熱演をしても、顔もでなければクレジットもされない裏方、スタントマンをテーマにしてみました。
本作のポイントは「尖り」です。キャラを考える際に「尖り」をつけると物語を進めやすくなります。オリジナリティが増します。
ということで本作では、主人公のスタントマンに「リアルさを追求するために本当に切腹する」という「尖り」を加えてみました。「尖り」があると、自動的にエピソードを引っ張ってきてくれるので、本当に楽です。
さてオチですが、本作ではエスカレーションを採用しました。考えてというより、これは流れのままです。
すっと書けたときは、オチは自然体で落とすようにしています。その方が全体の流れがよくなると思っているので。
【プラスのショートショートその3】
第4回水の都おおがき短編小説コンクールに応募した作品です。
水の都おおがき短編小説コンクールの募集要項は「水の都「大垣」を舞台とする、あるいは大垣ゆかりのエピソードや事物が登場する4,000字以内の短編小説」です。
大垣の観光地案内等を閲覧しましたが、いまいちピンとくるものがありませんでした。そのため、思い切って時代小説として舞台を「赤坂宿」としました。
赤坂宿は中山道の宿場町です。
舞台だけではストーリーにならないので、「赤坂宿」繋がりで中山道に関する本を読んでいきますと、中山道の板橋宿に「縁切榎」があることを知りました。
舞台と小道具が決まれば、あとはこれを活かすストーリーを作るだけです。
ネットでの調査はどうしてもピンポイントになりがちです。本の良さは、意外な知識と出会えることです。知識の広がりが段違いです。
アイデアを出す段階では、できるだけ本から知識を吸収した方が、発想が広がっていくと思っています。
【◆公募情報】
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