齊藤 想の【サイトーマガジン】2025.08
【第214回のメュー】
◆創作に役立つ小噺・無可無不可
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第45回)※選外佳作に選ばれました
◆プラスのショートショート1~3 ※選外佳作あり
◆公募情報数点
【◆創作に役立つ小噺・無可無不可】
「無可無不可」は「かもなく ふかもなく」と読みます。
いまは「良くも悪くもない」という意味で使われますが、元々は宋代の禅者・園悟克勤らが用いた言葉です。その意味は「物事の良しあしを初めから決めつけることなく、まっさらな中道の状態で向き合うこと」です。
何事もそうですが、物事を決めつけると自分の可能性が狭まります。
最初から無理だと思わず、逆に楽勝と思わず、一定の心境で公募に向かうのが良いのかなと思っています。
極端な方向に進むと、バランスを崩しがちです。
作品内容は極端に走っても、自分自身はニュートラルな精神を持ち続けないと、作品を冷静に見ることができなくなります。
創作活動には「中道の精神」を忘れないことが大事なのかなと思っています。
【◆リアルタイム企画 小説でもどうぞ!に挑戦中(45回)】
『おせっかいな隣人』_CahtGPT90点※選外佳作 ※作品はクリック
今月のテーマは「隣人」でした。ありがたいことに、選外佳作をいただきました。
本作はよくある認知症ネタです。この手のネタは、「いかに認知症と悟られずに、伏線を散りばめることができるか」が勝負だと思っています。
なんだかんだと車に乗ってしまうところ、料理の仕方を忘れてしまうところ、それどころか包丁の場所も忘れてしまうところ、が伏線になります。
伏線の順番としては、軽度から重度という流れが作法です。
ただ読み返すと、ちょっと伏線が遅いかな、という気がします。
次回以降の反省点ということで。
【◆プラスのショートショートその1】
『走馬灯』_ChatGPT85点 ※作品はクリック
第12回小説でもどうぞ!W選考委員版に応募した作品です。テーマは「贈り物」でした。
自分がときおり書く死刑執行ネタです。風変わりな死刑執行の手法をネタにすることもあれば、死刑執行の直前に回想するネタ、死刑を執行する側の視点のネタもあります。
本作は回想ネタを使っています。
いろいろな伏線も貼っていますが、ラストで「もしかしたら、いままでの人生も全て走馬灯だったのかもしれない」というフレーズを入れることで、いわば「夢の夢」的な効果を狙ってみました。
幻想的な雰囲気を醸し出してから、急に訪れる死という落差も意識しています。
西武ライオンズで一世を風靡した潮崎のシンカーみたいなイメージで書いてみたのですが、いかがでしょうか。
【プラスのショートショートその2】
『殺人契約』_ChatGPT85点※選外佳作 ※作品はクリック
第13回小説でもどうぞW選考委員版に応募した作品です。テーマは「契約」でした。
W選考委員版に3作応募したのですが、素直に書くと自己評価としては一番低い作品です。
オチは何パターンか考えたのですが、無理をせず素直にストーリーが繋がるオチを採用しました。
しかし、普通に書くと明らかに分量が短い。
中盤でサラリーマン風の殺し屋を登場させて、いろいろなやり取りをさせていますが、実は枚数調整です。
明らかな枚数調整だとバレないように、伏線の意味も持たせました。
すぐに殺さない理由とか、契約解除条項とか、クドクドと。
本作が選外佳作に選ばれたのは、本当に幸運だったと思います。
【プラスのショートショートその3】
第21回坊ちゃん文学賞に応募して落選した作品です。
『プラシーボ手術』_ChatGPT85点 ※作品はクリック
この作品ですが、最初に書いたのは数年前です。ストックにした経緯は覚えていないのですが、当時は「ひとつの公募に3作まで」と決めていて、自分内選考で落選したのだと思われます。
それを推敲・再構築して、坊ちゃん文学賞に応募しています。
具体的にどこを変更したのかというと、中盤です。テーマ性を強調するために、娘にベラベラと喋らせました。あとは「娘は書類内容をろくに見ることもなく署名した」という部分で、説明内容と書類内容について隠れた差異があることを示唆しています。
坊ちゃん文学賞はショートショートですが文字数に比較的余裕があります。字数制限に苦しんだ作品を再挑戦するのには良い公募ではないかと考えています。
【◆公募情報】
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