齊藤 想の【サイトーマガジン】2025.01

モチベーションの源泉に触れるイチローの名言について
齊藤 想 2025.01.05
誰でも

【第207回のメュー】

◆創作に役立つ小噺・イチローの言葉

◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第38回)

◆プラスのショートショート1~4

◆公募情報10点

【◆創作に役立つ小噺・イチローの言葉】

イチローは様々な名言を残してますが、これは1996年のオールスターゲームでの話です。

その当時イチロー選手は22歳で、3年連続の首位打者に向かって快進撃を続けていました。そのイチロー選手に、前年に本塁打王を獲得したものの打撃不振に陥ってたダイエーの小久保選手が声をかけました。

「モチベーションって下がらないの?」

「小久保さんは数字を残すためだけに野球をやっているんですか?」

「まぁ残さないとレギュラーを奪われるし……」

この後、イチロー選手はこう答えたそうです。

「僕は心の中に磨き上げたい“石”がある。それを野球を通じて輝かせたい」

素直にかっこいいと思います。

自分は様々な公募にチャレンジしていますが、当然のことながら受賞より落選の方が多いです。計算したことはありませんが、入賞率は3%前後かと思います。

もちろん受賞するに越したことはありませんが、受賞だけを目的にすると、”石”を磨くことを忘れがちです。

輝くかどうかは別として、”石”を磨き続ける気持ちが大事だと考えています。

自分のモチベーションは、少しでも自分を進歩させたい、という気持ちです。受賞は神様からのご褒美ということで。

【◆リアルタイム企画 小説でもどうぞ!に挑戦中(38回)】

今月のテーマは「サプライズ」でした。

『サプライズ・ショー』※作品はクリック!

本作は架空のTV番組をテーマにしています。

予想もしない人物が登場するのが番組コンセプトですが、もちろん伏線としてその人物をこっそり前半に登場させる必要があります。

ですが、露骨に伏線を貼るとバレバレになります。

そこで自分が利用しているのが、伏線になりそうなキャラを探すことです。

本作だと「トラックの運転手」に目を付けました。トラックは交通事故の説明のために書いただけですが、よくよく考えるとトラックには運転手がいます。

これは伏線になりそうだ。

ということで、トラックを伏線として再利用することにしました。あとは辻褄が合うようにストーリーを修正するだけです。

伏線の意図がない描写を伏線として再活用できれば、作品の効果を増すことができると思っています。

【◆プラスのショートショートその1】

第38回小説でもどうぞ!に応募した作品その2です。

『サプライズ・パーティー』※作品はクリック!

本作は思春期をテーマにしています。

テーマとしては「疎遠だった親子の和解」の一択です。するとラストで親子が再会する必要があります。

しかしながら、普通に登場させたら芸がなさすぎます、残念シーンがあってからの再会という流れにする必要があります。

この作品ですが、本来は「3の法則」を活用して、残念シーンを2回いれるべきだったと思います。

流れ的に宅配便のシーンの前にもう1回、何らかの残念を入れるのがリズムです。

ですが、そのネタが思いつかず、中途半端な作品になってしまいました。

これはもう、反省作品です。

【プラスのショートショートその2】

第38回小説でもどうぞ!に応募した作品その3です。

本作は時代劇です。自分が殿様のご落胤かと思ったら、「殿様になれる」と思って足蹴にした許嫁がご落胤だったというオチです。

よくあるパターンといえばパターンですが、女性をご落胤にしたのがちょっとした工夫です。

難しいのが、どうやって主人公に「自分がご落胤だ」と勘違いさせるかです。

自分の作戦としては父親に二通りの意味を持つセリフを言わせるのと同時に、「主人公が幼いころから特別扱いされていた」ことを強調しました。

主人公が特別扱いされていた理由は、もちろん「許嫁がご落胤」だったからなので、読者を誘導するのと同時に伏線にもなる仕掛けです。

二つの意味をもつ設定を作ることができると、短編として精度が高まると思っています。

【◆プラスのショートショートその3】

本作は愛媛新聞主催の超ショートショート2022用に書いてボツにした作品です。

超ショートショートはテーマが5つあり、本作では「そうめん」を選んでいます。

本作品をボツにした理由は2つあります。

ひとつが公募スポンサーである素麺会社のゴキゲンを損ねる可能性があること。

もうひとつが、本作とは別に「そうめんとソバが絡む話」を書いていたため、設定被りと判断される可能性があることです。

2作品は設定・ストーリー・オチともに異なりますが、やはり同系統の作品をふたつ応募するのは問題があると考えています。

年を変えて応募しようと思ったら、公募がなくなり、そもそも応募ができなくなってしまいました。

こういうこともある、ということで。

【◆プラスのショートショートその4】

愛媛新聞超ショートショート用に書いていた作品ですが、募集がないようなのでUPしてみました。

超ショートショートですが、テーマが5つあり、それぞれスポンサーがテーマになっています。

なので本作はテーマとして「老人ホーム」を選択しています。

スポンサーがいる場合ですが、自分はスポンサーを褒める系統の作品を選択するようにしています。とはいえ、過去受賞作にはスポンサーを揶揄するような作品もあったりして、絶対的ではないのですが。

かなり昔ですが、「百獣の王、千獣の王、万獣の王」が登場する四コマ漫画を読んだことがあります。本作はその作品の「老人ホーム」版です。技法としてはエスカレーションになります。

エスカレーションは使いやすいので、ついつい採用してしまうのが玉にきずですが。

【◆公募情報】


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