齊藤 想の【サイトーマガジン】2024.12
【第206回のメュー】
◆こんな公募に挑戦しました・第3回星々短編小説コンテスト
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第37回)
◆プラスのショートショート1~3
◆公募情報数点
【◆こんな公募に挑戦しました・第3回星々短編小説コンテスト】
幸いなことに1次選考を通過しました。
〔記事参照〕
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-04-01-20
始めて出す公募は過去受賞作をチェックするようにしています。
ですが、本公募では過去受賞作が無料公開されてない(雑誌に「星々」収録しているため購入する必要がある)ので、主催者HPの雰囲気と最終選考、1次選考通過作品のタイトルで傾向を判断しています。
これらの情報から「純文学系だけど間口は広い」と判断しました。
自分が応募した『変わりゆく町』ですが、元々はゆきのまち幻想文学賞用の作品で、SFテイストが強かったです。
それをこの公募に合わせて純文学風に書きかえ、SFテイストを後退させてファンタジー色を強めることにしました。
結果は1次選考通過ということで、102編中上位11編に残ることができました。
受賞には届かなかったものの、それなりの結果を残せたのは、公募分析のおかげかなと思っています。
【◆リアルタイム企画 小説でもどうぞ!に挑戦中(37回)】
今月のテーマは「すごい」でした。幸いなことに選外佳作に選ばれました。
『すごい才能』※作品はクリック
本作は自分が大好きな桃太郎ネタです。アイデアに困ったら「昔話」です。
昔話の「パロディ」はたくさん書かれており、様々なパターンがありますが、昔話の盲点を突くのも手段のひとつです。
ただ盲点を突いたとしても、ここからどう物語として膨らませるかが勝負です。
こういうときに、武器になるのが自分のひきだしです。
自分のひきだしから、様々な形式をあてはめるのです。
本作の場合は、ひきだしの中から「ドタバタ喜劇」を取り出しました。最初に浮かんだイメージが「子供がたちがドンドンツッコミを入れる」という場面だったので、「ドタバタ喜劇」が最適解だと判断しました。
なにはともあれ、ひきだしを充実させるのが大事ということで。
【◆プラスのショートショートその1】
第37回小説でもどうぞ!に応募した作品その2です。
『すごい薬』※作品はクリック
これは自分がときおり書くシリーズ物で、どSの助手マユミと、どМの教授という組合せがおりなすコメディです。ボケとツッコミという漫才の王道パターンです。
シリーズ物の強さはキャラが決まっていることです。アイデアとオチがあれば、あとは勝手にキャラが動いてくれるので、考えなくても作品が完成します。
作品をたくさん書こうと思ったら、自由自在に動かせる固定キャラを持つことは、大事だと思っています。
新しいキャラを作る時も、固定キャラの設定を少し変えることで生み出すことができます。固定キャラは新キャラの原型にもなります。
同じキャラを書き続けるのは、キャラを増やすための準備と考えれば、とても有効だと思っています。
【◆プラスのショートショートその2】
第37回小説でもどうぞ!に応募した作品その3です。
『世界をまたに』※作品はクリック
本作は一発ネタですが、完全な失敗作です。
世界をまたにかけて活躍していると思わせて、実は「カルフォルニア」「ベルリン」といった名称の水商売の店を回っているだけだった、というオチです。
基本的にはダブルミーイングです。
ただ、振り返ると構成がダメダメです。
このオチなら、主人公の技量は向上しない方がよいです。むしろ別の面が評価されて他の店に引っ張られた、という展開しないとオチと展開が繋がりません。オチが浮いています。
反省は大事です。今回の失敗作を反省して、次回につなげたいと思います。
【◆プラスのショートショートその3】
第3回星々短編小説コンテストに応募した作品で、一次選考を通過しました。テーマは「地図」です。
『変わりゆく町』※作品はクリック
ショートショートや掌編において、比喩の使用は必要最低限にするのが基本です。比喩は言葉のリズムを崩し、使い古された比喩は文章の質を下げます。
あえて文章の流れを止めるとき、ひときわ優れた比喩が思いつたときだけ使うのが原則です。
ですが、本作ではあえて平凡な比喩を多用しています。これは比喩を使うことで文章の速度を落として、エンタメ色を薄めたかったからです。
後半になると比喩の使用を抑えていますが、これは物語が佳境に入るとともに文章の速度をあげたかったからです。
比喩の使い方として邪道かもしれませんが、比喩による速度調整もひとつの技術だと思います。
【◆公募情報】
▼齊藤 想ブログ
https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/
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