齊藤 想の【サイトーマガジン】2024.01
【◆創作の参考になる本のご紹介(カール・セーガン『人はなぜエセ科学に騙されるのか』)】
『人はなぜエセ科学に騙されるのか』は、1996年に出版されました。約30年前の本ですが、考え方は現在でも通用します。
カール・セ―ガンは天体物理学者かつSF作家です。「パイオニア探査機の金属板」をデザインしたことでも知られています。
本書はオカルトへの懐疑を表した本ですが、冒頭の警句がセ―ガンの考え方を表しています。
「暗闇を呪うより、ろうそくに火をつける方が良い(格言)」
オカルトを信じるより、自然の驚異に感動し、その仕組みを解き明かす努力をすることが大事であることを、この本は教えてくれます。
書かれている内容は、時代背景もあって、「宇宙人」「天使の降臨」「ミステリーサークル」「ポルターガイスト」「占い」などです。
この本は、科学的な思考方法を、具体例でもって知ることができます。
自分は、創作活動には複数の視点を持つことが重要だと思っています。オカルトを信じている、信じていないにも関わらず、科学側・オカルト側の両側から物事を考えることは大事です。
この本は科学側からの視点ですが、様々な出来事に疑問を持ち、調べ、考えるという意味でとても重要な示唆を与えてくれます。
とてもためになる名著(かつ、ユニークな語り口に笑ってしまう)なので、ぜひとも手に取ってみてください!
【◆リアルタイム企画 小説でもどうぞ!に挑戦中(26回)】今月のテーマは「冗談」でした。
『ジョークゲーム』
https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2023-11-29-11
※作品は上記URLを参照
本作は映画『ジュマンジ』をイメージして書いた作品です。
曽祖父が作ったボードゲームに不思議な力があり、札をめくるとそこに書かれているジョークが現実になります。
設定としてはほぼ『ジュマンジ』です。違いは、「書かれている内容がジョークであること」「つまらないジョークでも、どうしても笑ってしまうこと」ぐらいでしょうか。
ショートショートは多数書かれているため、同じ設定の作品はたくさんあります。不思議なボードゲームが登場する話にしても、山のようにあります。
ただ、同じ設定でも、自分の頭でシーンを考え、自分の言葉で書けば自然と「換骨奪胎」となり、「同工異曲」にはなりません。
文章までマネしだすと、本当に「同工異曲」になってしまいます。
ショートショートはアイデアの重なりが避けられません。大事なのは自分の言葉で書くことだと思います。
【◆おまけのもう1作】
『試されるとき』
https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2023-12-06-7
※作品は上記URLを参照
この作品は、半分は実話だったりします。
少し頭頂部の薄い上司と飲会にいったとき、ビルの入口を間違えて、よりによって「アデ〇ンス」に入りそうになりました。
そのとき、思わず自分が口にしてしまったひとことが、作品の元アイデアです。そのせつは大変に申し訳ありませんでした。
技法としては、「両者で会話の意味が異なる」というダブルミーイングを採用しています。
このダブルミーイングは通常は単語等で使うもので、会話のやりとり丸ごとがダブルミーイングというのは技術が必要ですし、挑戦するだけで技術力がUPします。
チャレンジする価値はあると思いますので、ぜひとも挑戦してみてください!
【◆さらにおまけのもう1作】
第6回小説でもどうぞ!W選考員会版への応募作その2です。
テーマは「家族」でした。
『告発』
https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2023-12-12-2
※作品は上記URLを参照
本作はそのうちミステリとして書きたいと思って温めていたアイデアです。
試しに何作か短編ミステリを書いてみたのですが、どうも自分の作風はミステリ向きではないと悟り、ショートショートにまとめたものです。
死刑囚でも、共犯者が逃走中の間は、基本的には執行されません。裁判に影響がでる可能性があるからです。
この知識をベースに、ショートミステリ風にまめました。
内容的に5枚にまとめるのはかなり無理がありますので、こうした場合の必殺技、書簡体を採用しています。
というより、最初から書簡体しかないと決めつけて、書いています。
経験を積むと、この作品にはこの文体、このアイデアにはこの手法、と最初から目算を立てることができます。
こうなってくると、作品をまとめるスピードが格段に上がってきます。
【◆さらにおまけのもう1作】
ちくま800字文庫に応募した作品です。
『人回し』
https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2023-12-20-1
日本猿の研究家の本を読んだとき、野生の群れと仲良くするために「餌付け」「人付け」「猿付け」を試したとありました。
「餌付け」は分かると思いますが、「人付け」は人間に慣れれてもらう作戦。「猿付け」は、人だけでなくペットの猿も同行させることで、猿の警戒心を解く作戦です。
この「猿付け」は見事に失敗したと書かれていて、思わず笑ってしまいました。
この作品は、人と猿の立場を入れ替えた作品で、「猿の惑星」と発想は同じです。
立場を入れ替えるのは、ブレインストーミングで使う技法のひとつです。
アイデア発想法のひとつとして、試してみていただけたらと。
【◆公募情報】
・第2回創元ミステリ短編賞(短編・3/31〆)
・第1回Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize 作品募集(掌編・2/29〆)
・不二家ファミリーエピソード募集(随筆・2/26)
・第2回小鳥書房文学賞(日記・2/29〆)
・第16回日本新薬こども文学賞(童話・2/11〆)
・第1回和漢川柳コンテスト(川柳・1/10〆)
・第14回ホームメイト川柳大賞(川柳・2/29〆)
・短歌・俳句・川柳投稿ポスト/弘前観光コンベンション協会(短歌等・2/29)
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2023-12-20-3
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