齊藤 想の【サイトーマガジン】2024.11

第1回の公募は、主催者HPを読み込んで対策を立ててみよう!
齊藤 想 2024.11.05
誰でも

【第205回のメュー】

◆こんな公募に挑戦しました・第1回Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize

◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第36回)

◆プラスのショートショート1~3

◆公募情報10点

【◆こんな公募に挑戦しました・第1回Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize】

幸いなことにプラナスミューメ特別賞を受賞しました。

〔記事参照〕

第1回だと過去受賞作を参考にすることができません。そのため、傾向と対策をどう考えるのかがポイントになります。

自分の場合は、主催者HPから意図を読み取ります。

主催者は宝飾品店で、ウメの花をコンセプトにした様々なアクセサリーを販売しています。けっこう高額です。

そこからすると、やはりブランドイメージに寄与するような作品、絵になりそうな作品を求めているのではないか、と判断しました。

受賞作の『子犬のウメ』ですが、テーマであるウメを直接扱ってはいません。子犬の模様がウメの花のように見えるので、ウメと名付けられただけです。

通常の公募だと「テーマであるウメを扱っていない」と判断されて落とされる可能性が高いと思いますが、主催者HPの雰囲気からすると、むしろ絵的でよいのではないかと。

やや異色の思考法ですが、結果として良い判断だったようです。

第1回の公募に挑戦するときに、ぜひとも参考にしてみてください!

【◆リアルタイム企画 小説でもどうぞ!に挑戦中(36回)】

第36回のテーマは「アート」でした。

『モナリザの微笑』 ※作品はタイトルをクリック

本作のアイデアは知識系です。脳科学の専門家の本によると、モナリザの微笑は、「デュシュサン・スマイル」に該当するそうです。この笑みは不随意筋(自分の意識では動かせない筋肉。例えば心臓)によって生み出されるため、人間が本当に嬉しい、本当に楽しいときにだけ表れるそうです。つまり、演技では作れない微笑だそうです。

この知識をいつかは作品にしたいなあと思っていたので、この機会にまとめてみました。

手法としてはミステリを活用しています。冒頭で謎を提示し、それを主人公が苦労しながら真実を見つけ出す形です。構造としては敵が「蟻川天鵬」で、支援者が「エース俳優」になります。敵といっても本当の敵ではなく、最後は大団円です。

ラストはいい話系統にしてみましたが、いかがでしょうか?

【プラスのショートショートその1】

第36回小説でもどうぞに応募した作品その2でです。

『ある胸像の一生』 ※作品はタイトルをクリック!

本作はローマ帝国で哲人皇帝と言われた「マルクス・アウレリウスの騎馬像」の話がモチーフになっています。

ローマ帝国がキリスト教化したとき、かつての皇帝像は徹底的に破壊されました。しかし、なぜか髭もじゃのマルクス・アウレリウスの騎馬像は、後年にキリスト教化を進めたつるりとした顔の偉大なローマ皇帝と勘違いされて破壊の手から逃れました。

もちろん、この2人はまったく似ていません。勘違いされた理由は謎です。

こうした歴史の小噺も、少し工夫をすればショートショートのネタになります。本作ではエスカレーションの技法を応用して、次々とトンデモナイ勘違いをされ続ける話としてみました。

いいオチが思いつかずに、ちょっと冴えないですが。

様々な話を摂取するのが大事ということで。

【プラスのショートショートその2】

第37回小説でもどうぞに応募した作品その3です。

『自殺アート』 ※作品はタイトルをクリック

これはキャラ小説に近いです。

自殺という深刻な行為を、にこやかに「アートだ」と言い張って実行する少女。この異色な少女がテーマなので、必然的に主人公となる相方は真面目なサラリーマンになります。

二人が偶然に会うのは設定としていまいちだと思ったので、必然である理由を加えて、その理由でまた二人のキャラの違いを強調する仕組みです。

オチはどこをターゲットにするかですが、今回は「真面目なサラリーマン」に狙いを定めました。そうなると「彼も実はアートの一員だったが違うアートだった」という感じになります。少女をターゲットにすれば、また別のオチになります。

オチを考えるときには、ターゲットを決めると、発想が引き出せると思います。

【◆プラスのショートショートその3】

第1回Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prizeでプラナスミューメ特別賞を受賞した作品です。

『子犬のウメ』 ※作品はタイトルをクリック!

公募分析ではなく、自作の分析です。

この作品を書いたとき、自分の中で何かを掴んだ印象を持ったのですが、その理由をすぐには言語化できませんでした。

それから次の作品を書いているうちに、ようやく思い当たりました。

それは、「キャラに尖りをつける」ことです。

本作の主人公はロボット研究者です。ストーリー上は引きこもりにする必然性も、母親に反抗して母親を奴隷にように扱わせる必要もありません。

ですが、標準的な人物だといまいち話が膨らまないので、試しに「尖り」をつけてみました。すると、スラスラと物語がすすみ、さらに自分が思いもよらなかった方向性へと導いてくれました。特別賞を受賞できたのは、キャラのおかげだと思っています。

「キャラに尖りをつくる」のは、ひとつレベルを上げるよい方法だと実感しています。

【◆公募情報】

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