齊藤 想の【サイトーマガジン】2024.03

公募の技術、擬人法、インフレーション、糸、ショートショートと掌編の違い
齊藤 想 2024.03.05
誰でも

【第197回のメュー】

◆こんな作品を応募しました『クラフトビールコンテスト』

◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第27回)

◆プラスのショートショートその1~3

◆公募情報数点

【◆こんな作品を応募しました『クラフトビールコンテスト』】

ショートショートガーデンでは、ときおり企業とのコラボ企画で不定期にコンテストを開催しています。

クラフトビールコンテストは、愛媛県松山市を拠点に多様なスタイルのビールを世に送り出すDD4D BREWINGとのコラボです。田丸雅智のショートショートがラベルに書かれたクラフトビールを発売しています。

と、ここまでくれば、受賞作品はラベルに掲載される可能性があると察しがつきます。

つまり、ビールを飲みながら読める作品、ビールがおいしくなりそうな作品が求められているのではないか。受賞作の傾向としては、愛媛新聞主催の『超ショートショート』と類似するのではないか。

そう判断して応募したのが、以下の3作品です。

『緊急災害用ビール』

『クラフトビールと苦味』

『涙のビール』

結果は残念でしたが、他の公募での経験を活かしたりすると、より応募が楽しくなると思います!

【◆リアルタイム企画 小説でもどうぞ!に挑戦中(28回)】

今月のテーマは「誓い」でした。

『禁酒禁煙禁ギャンブル』

https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2024-02-15-1

※作品は上記URLを参照

本作は擬人法の応用です。えっどこがと思われますが、途中で酒や煙草と思われる小道具を登場させておいて、実は違いました、という流れは完全に擬人法です。

オチはインフレーション技法です。

禁止が3つだけと思わせて、すでにたくさん禁止があったというインフレーション系のオチは、ドタバタ喜劇で多用されています。

技法だけに頼るとワンパターンになりがちなのが弱点ですが、様々な技法を組み合わせることで新しい面や新しい技術が見えてくると思います。

何はともあれ、チャレンジということで。

【◆プラスのショートショート・その1】

小説でもどうぞに応募した作品その2です。

『悪役とヒーローの誓い』

https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2024-02-06-1

※作品は上記URLを参照

この手のネタはショートショートだけでなく、某人材派遣のCМなど、様々なところで使われています。

ただ、既存のアイデアはヒーロー側、悪役側のどちらかだけだったので両側にまたがらせたのが自分の工夫です。

両側を繋ぐ糸の役割をしているのは「誓約書」です。同内容の誓約書を登場させることで、両側のストーリーを繋げています。

小道具を「糸」として使う技術は、映画でよく使用されてい,ます。

気になる方は映画を観るさいに注意していただければと。

【◆プラスのショートショート・その2】

2022年超ショートショートに応募した作品です。テーマは「ライオン」を選択しています。

『ライオンの時間』

https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2024-02-21-1

※作品は上記URLを参照

本作はショートショートではなくて掌編のイメージで書いています。

ショートショートの定義はひとそれぞれですが、自分の定義はインパクトのある設定と意外性のあるオチです。

掌編は設定やオチより、雰囲気や文章を楽しむ作品だと考えています。

作品を書くとき、ショートショートにするか、掌編にするかで文章が異なります。

本作は掌編と決めていたので、500文字という限られたなかで描写を押し込み、深夜に躍動するライオンを描きました。

最初に「ショートショート」にするか「掌編」にするかは、大きな岐路ということで。

【◆プラスのショートショート・その3】

ちくま800字文庫に応募した作品です。

『フノイさん』

https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2024-01-31-4

※作品は上記URLを参照

本作はときおり使われる「人名」でのダジャレネタです。

えんどコイチ『ついでにトンチンカン』で使われた「伊藤洋華道=イトウヨーカドー」や、ネットで見たので作者不詳ですが「藪医者」が妙に印象に残っています。

人名ダジャレは自由度が高いが上に、使用は厳選した方がよいと考えています。

「フノイさん」は「負の遺産」のダジャレですが、元の言葉はぱっと見で人名が浮かなばないような単語を選択するのが良いと考えています。

その方が、読者の意表を突くことができると思うので。

【◆公募情報】

・第104回オール讀物新人賞(短編・6/30〆)

・第17回内田百聞文学賞(短編等・5/31〆)

・第36回日本動物児童文学賞(児童文学・4/20〆)

・第20回畳川柳募集(川柳・3/31〆)

・第16回旅の日川柳(川柳・3/15〆)

・統計の日の標語募集(標語・3/30〆)

・第16回金魚屋新人賞(不問・5/31〆)

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